太陽の柱
お母さんが握ってくれたおにぎりを食べながら時計をじーっと見つめる




早く時間過ぎないかなぁ





いくら時計を見つめても無理なのは分かってるけど、早くゲームしたい!!


魅乃が最初言ってた、夫婦でもハマル…ってわかる気がするわ


事実、数日ではまってる自分がここに居るしさ…




「ひなちぃ~ん♪どしたのさ、時計ばっか見つめてぇ」



そう言って頭を撫でる顔の黒い女性
実はこの日サロの店長さん



まだ27歳なんだってさ



『そんな事ないですよ~』


おにぎりを食べながら当たり障りの無い返答


「そういやさ~、ひなちんがクラブ禁止令だされてもう少しで2ヶ月だね~。禁止令出てから大人しくなったんじゃない?」


目線を斜め下に持っていったままタバコをつける店長

そっか…



『もう2ヶ月経ちますねぇ~。最近はヒッキーでふよ~』

ご飯を肩頬に詰めて時計を見る


「はぁ?ヒッキー?どしたマジで~」



『そんなお年頃なんす~』



この店長は噂好きだから、間違ってオンラインゲームで彼氏探しとか言ってしまった日にゃ~


常連の客にも白い目で見られるぞ……マジで!

しかも、ここは札幌だし、私の人生は終わりを迎えるかもしれない……


大げさのように聞こえるだろうけど、本当にそう思う
店長は昔パラパラが流行った時に人気があったらしく、顔がとんでもなく広い!


それでもって噂好き+新しい話題は光のような速さで広まる……



「へぇ~ヒッキー?なになに?教えて~」



ほら来た!!!!


『え~。なんも無いですよぉ~。ただお金貯めてるだけですぅ~』


ニッコリを営業スマイルを見せ、店長の様子を伺う……

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