太陽の柱
「ひなちゃ~ん。魅乃のダーリンでっす」



いや、見ればわかります……



それより、「ちゃん」って気持ちが悪い!!!




『来るなら来るって連絡頂戴よ~』


今日は何回営業スマイルを振りまいただろうか




「ぇえ~?いいじゃん!驚かせようと思ったんだよね~♪」



二人目を見合わせて


「ね~ッ」


と首をかしげてやがる



勝手に部屋に居るのはいつもの事だし


カバンの中から携帯電話を取り出し卓上充電器に差し込む



魅乃ダーリンが紙袋を漁ってる姿を魅乃が目を潤ませながら見つめている



「これ、東京みやげです」


と差し出された箱を受け取り包装紙を剥がした


≪ひよこ≫


これCMで見たことありますわ
東京名物とかうたってるお菓子だね




『ありがとうございます♪母にお茶入れてもらってきますね』


ヒヨコ型のお菓子を眺めながら母の元に向かう



しばらくして、母が麦茶と大きなお皿に移されたヒヨコ達を持ってきてくれた


『いただきまぁす♪』




う…うめぇ



『おいしいですね!このヒヨコ!!』



嬉しそうな魅乃ダーリン



「此処に居るヒヨコは全部美味しいよ」


とさわやか~なスマイルをひとつ頂いた


それから、前に魅乃から散々聞かされた出会いの馴れ初めを魅乃ダーリンから聞かされるハメになり、
頂いたヒヨコが私の胃袋に全部入ってしまった






顔は営業スマイルを継続中


魅乃は顔を真っ赤にして見つめてるし……








「魅乃ちーぃん♪」


突然ドアが開き、バカ妹の美冥が部屋にズカズカ入ってくる




美冥を抱擁する魅乃と突然の来客者にビックリする魅乃ダーリン




しかし、美冥のおかげで馴れ初め話は終話


魅乃に思いっきり近況報告をした美冥はすっきりした顔つきで部屋に戻っていった
< 80 / 120 >

この作品をシェア

pagetop