あいいろ

大変だ!








いつもの様に、あたしは手抜きの昼ご飯を作る。



何だろう。

なんだか、一人暮らしみたいだ。



「ターツーヤ…」



日の光が窓に反射して、いつもタツヤが座っていた場所を照らしていた。





今日も…。




働いても働いても、お金は減るし。
ご褒美さえないし。


タツヤと一緒にいてもいい事なんてあるのかな。

お皿を机の上に並べて、静かに食べる。


干したてのスエットから洗剤の匂いが、微かに匂った。



寂しいのに


あたしが浮気をしないのは、出来ないからじゃないの。



「タツヤ…」



あなたが、こんなにも好きだからだよ。



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