あいいろ
ふと横を向くと、まあまあデカいキャバクラがあった。
いつもなら行くところだが…金がない。
少しの間立ち止まって遠くから見ていると、1人のキャバ嬢とその客が笑いながら出て来た。
「弥生ちゃぁ~ん、また来るからねぇ」
「ありがとうございます。」
「ムフフ。今度は何欲しい~?」
「いえいえとんでもない、おじ様の愛情だけで満足ですよ。」
「また口の上手い事言って~、あ、タクシー来た。またね弥生ちゃん。」
「お気をつけて。」
業務的な事を言っているキャバ嬢に、脂ギッシュなおっさんはデレデレしていた。
あんなのも相手にするのか。
そんな事を思いながら歩き出す。
少し、腹が減った。