雪道
「…おばさん何時に帰ってくんの?」
「えっと…8時ぐらい。」
「…お前、その時間までココにいるつもりだったの?」
呆れながら聞く。
だって、女の子だよ?
普通に危ねぇし。
「……」
え?シカト?
「とにかくさ、俺ん家入ろ? マジで風邪ひくし、危ねぇから。」
な?、と 咲の様子を伺う。
…俺が こんなに心配する女は お前ぐらいだよ?
いい加減気付けよ…。
「…どうしよっかなー…」
小さく呟いて空を見上げる咲につられて
俺も空を見上げた。
まだ一向に止まない雪。
ただ静かに降ってくる光景はとても綺麗で。
咲がココにいたのも少し分かる気がする。