俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
お試し1:出会ってすぐに
「……つらかったら、言って」
端正な顔が目の前で心配そうに微笑みかけてくる。
ふたりきりになった途端、飲み会では微塵も感じさせなかった甘さを纏い、とろけるような低い声でささやきかけられて全身が熱くなった。
「あのっ……」
体を支えられて優しくベッドへ寝かされると、ホテル独特の張りがある真っ白なシーツを背中に感じ、処女でもないのに妙に緊張が走る。
本当に、このまま? いいの――?
「百音(ももね)ちゃん、大丈夫?」
長い指で髪を梳かれ、頬に優しく触れられると、どうしたらいいのかわからなくなって目蓋を伏せてしまう。
華やかな飾り立てもなければきらびやかな夜景が見えるわけでもない、シンプルなビジネスホテルの一室なのに、その声の甘さと優しさにスイートルームで大切な一夜を過ごしている錯覚を起こしそう。
「俺に、任せてくれたらいいから」
ああ、大丈夫。私、この人なら――。
「……はい」
安心させてくれる言葉に、素直にうなずくとそのまま――……。
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