俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
「ごめんっ……。昨日、わざと封筒忘れた」
「愛海……?」
失望すると思った瞬間の告白に、愕然としてしまう。
「たまたま、広瀬さんが女性と仲良く仕事してる風景を見ちゃったから、百音がこれを見たらどう思うんだろう……って、そう考えておつかいをお願いしたの」
「うそ……。なんで……」
いままで仕事以外でも仲良くしてきたし、恋愛に関しても一番の理解者だと思っていたのに。心の中で積み上げてきた愛海に対する好意が、音を立てて崩れていく。
「それだけじゃなくて、上崎さんに百音のこと悪く言ったのも私だし、広瀬さんとのデートの待ち合わせ場所を教えたのも私」
「えっ……? 待って、なんでそんなことっ……」
たしかに、愛海がしたことならすべて辻褄が合う。だけど、大切な友達がそんなことしたなんて信じたくなかった。まだ、元カレが関係しているほうが納得できる。
次々と明かされた事実に混乱して頭がついていかない。
「悔しかったの。いつも百音がモテるし、しかも広瀬さんが彼氏なんて……私のほうが最初に目ぇつけてたのに」
愛海は私とは目を合わさず、手元をいじりながら言いにくそうにしゃべる。
「そうだよね、涼真のこと……最初にいいって言ってたの愛海だよね」
「でしょ? それなのに、急に百音が仲良くなって……。……って、これも嫉妬だよね。ごめん、本当に」
テーブルに額がつきそうなほど頭をさげた。
「ごめんって言われても……」