俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


どうしよう、愛海のかわりに情報収集をしようと聞いていたのに、もしかしたら私も惹かれているかもしれない。いやいや、この人は軽いって。やめておこう。

心の奥底にある微妙な変化に気づきつつも、見て見ぬふりをした。

でも、なんで広瀬さんに彼女がいないんだろう。

顔もいいし、仕事には真面目で明るくてみんなに好かれる性格。なら、なんでこんな人が飲み会に来ているのか。

「ん? なに、俺に見惚れたの?」

いつの間にか広瀬さんのことをじっと見てしまっていて、その視線に気づいて私に顔を近づけてきた。

「い、いえ、なんでもありませ……っ! いった……」

手で否定を表し、思わず顔をのけぞると壁に頭を打ちつけてしまった。

「なにやってんの、百音ちゃん」

心配はもちろんしてくれているけれど、ドジな私を面白がるように白い歯を零しながら優しく後頭部を撫でてくれた。長い指がそっと添えられ、髪の間を滑っていく。

くすぐったい感覚に鼓動が高鳴っていると、周りの女性たちからまた痛いくらいの視線が投げつけられた。それを感じていると。

「最後のひとりが到着しました~! 太陽銀行のエリートです!」

もうひとり、遅れてくる男性のことを幹事の男性がやたらと職業をアピールしながら知らせた。

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