俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
お試し3:お試し恋?
「やっぱり、広瀬さんは軽いみたい」
昼休みに愛海とともにお気に入りのオープンカフェへ向かい、注文を済ませるとすぐに零れ出てしまった。あれからフォローする電話もメールもなく、胸の奥はモヤモヤしたままだ。
なんだろう、この裏切られた感は。勝手に期待したのは私だけど、あんなのない。
「えっ、なにそれ。百音、すっごい顔が怖いんだけど……広瀬さんとなにかあったの?」
昨日の広瀬さんを思い出してあまりにもひどい顔をしていたのか、愛海が少し怯えたようにたずねてきた。
「ちょっと……電話かけたら、周りから女の子の声が聞こえてきた。飲み会してたみたい。王様ゲームとかいまどきする? キスとか、出会ったばっかりの人とノリでできちゃう?」
この際、広瀬さんとホテルでキスしたという自らのことは棚に上げさせてもらおう。ノリはノリでも、あのときは体さえも覚悟した本気のノリだ。
「そう、なんだ」
やっぱり広瀬さんに気があったのか、愛海は少しだけ残念そうに肩を落とした。ひとつにまとめずにいた髪がサラリと頬にかかる。
「まぁ、顔もいいし、ノリもいいし。スーゼネ勤めてたら誘いも多いだろうし。仕方ないのかもしれないよね」
自分に言い聞かせるように言うと、注文した山盛りサラダを食べはじめた。先日の飲み会で体重が増えたようで、調整しているみたいだ。