俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
「雰囲気のいいお店で食事して、おいしいお酒も飲んで……そうしたら、ホテルに誘われた」
「え!? いきなり? どういうこと?」
愛海も突然の誘いが理解できないらしく、目を真ん丸にしたかと思ったら何度も瞬かせた。
「外見が派手でお酒も好きだし、私が酔っぱらって広瀬さんに送ってもらったから、ホテルに行ったと勘違いしたみたいで、それなら自分も一回くらいいけるんじゃないか、なんて思ったらしいよ」
思い出すだけで気分が悪くなり、早口で説明した。
「……それで? 百音はどうしたの?」
静かに問いかけてくる愛海に、一瞬ドキリとする。
「ホテルなんて行くわけないよ!」
愛海なら、一緒に「なに考えてるんだろうね」と怒ってくれるかと思っていた。思わず否定する言葉に力が入る。
「……私が、行ったと思ったの?」
少し悲しくなりながらたずねると、愛海はフッと噴き出すように笑いだした。
「だよね。行くわけないよね」
「そ、そうだよ。見た目だけで軽そうなんて決めつけられて、偏見もいいとこだもん。そんな人、お断りだって」
「そうそう、百音のことをわかってない。そんな人、忘れちゃおう」
愛海と一緒に笑い合うと、目の前のランチを食べ終えることにした。