俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
あれから何度も連絡があったけれど、メッセージも電話も拒否していた。
春物のニットに細身のパンツを合わせたコーディネイトは上崎さんのスタイルの良さを強調し、爽やかな容姿を相まって、悔しいけれどカッコイイ。周りの女性からチラチラと視線を感じ、居づらいほどだった。
「……どうして、ここに?」
「花坂さんに会いたくて、待っていたんです」
「会いたくてって……やめてください。私は、もう会うつもりありませんでしたから」
軽い女だと誤解され、ホテルまで連れて行かれそうになって、会いたいと思えるはずがなかった。
「女性と遊びたいだけなら、ほかを当たってください。上崎さんなら選びたい放題ですよ」
それこそ、一夜限りの相手でもいいと考える女性だっているはずだ。なにも私にこだわらなくたっていいのに。
「それでも僕は花坂さんがいいんです。凛として近づきにくそうなのに、どこか誘われている気もする。魅力的です」
「それは……買いかぶり過ぎですよ」
ため息を漏らし、上崎さんから視線を逸らす。けれど、その視線のさきに上崎さんが顔をずいっと寄せてきた。
「今日はなんだか雰囲気が違いますね。新鮮ですごくドキドキします」
涼真に言って欲しかった言葉を、さきに上崎さんに言われてしまう。まったく嬉しくないうえに、胸やけしそうなほど嫌な気分になった。