俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


「なっ……!」

あまりにも事実無根のことに、声が出なくなって、顔を横に振って否定する。

「ち、違う……っ! そんなこと、今まで一度もないです!」

周りに人がいるにも関わらず、大きな声をだしてしまい、修羅場と勘違いされたのか行き交う人の数人から好奇の視線を向けられた。

「本当ですか? 女性はウソが上手ですからね」

「ウソって……なにを根拠にそんなことをっ」

「ある人からそういう話を聞いたんですよ」

ある人……? 上崎さんが私の元カレと繋がっていて、あることないこと聞いたとか? それとも、昔飲み会で知り合った男性の中に共通の知り合いがいたとか?

とにかく、一度もしたことがないことを、涼真に教えるかのように言われることに腹が立つし、悲しくなる。

「広瀬さんも遊ばれないように気をつけてくださいね」

「へぇ……忠告してくれてんの?」

涼真は困ったように笑うと、軽く上崎さんを睨んだ。

「それ、すっごいありがた迷惑……というか、迷惑でしかない」

「どうしてですか? 誰とでも寝るような女性は嫌でしょう? ああ、そうか。広瀬さんも自分と同じようにそういう軽い子が好みですね」

「っ! 涼真は軽くなんて……!」

私だけじゃなく、涼真のことまで悪く言われるのは耐えられない。思わず身を乗り出して否定しようとすると、涼真の腕が私を遮った。

「ほかの人からの情報って、そんなに大事?」


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