俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
「今日の飲み会、五対五の予定だったけど仕事で遅れる人がふたりいるみたいなんだよね。ちょっと感じ悪くない? そのあたりのスケジュール管理、幹事にしっかりしてほしいよね」
白い頬を膨らませる横顔はこれで彼氏いない歴二年かと思うほどかわいらしい。
「幹事って前の飲み会で知り合った人?」
「そう。呼んでくれるのは大学時代の友達とか、仕事で仲良くなった人なんだって。スーゼネの人もいるって」
「すーぜね?」
聞き慣れない言葉に首を傾げると、愛海がいいものを見つけたと言わんばかりに輝く瞳をこちらに向けてきた。
「スーパーゼネコン。高収入で安定してるって、このご時世で優良じゃない? もったいぶられて会社名教えてくれなかったけど、さらに性格良ければ言うことナシ、顔も良ければ最高!」
夢を見るかのように、胸元で両手を組んで目を瞬かせた。
「そんないい人ならすでに彼女がいて、飲み会に来ないと思うけどな」
「わからないでしょ。ほら、今日だって仕事で遅れてくるくらいだから、忙しくてそんなヒマがなかったのかも」
ため息まじりの私に、愛海は楽しそうに肩をぽんぽんと叩いた。
「今日の遅刻も、理由が本当ならいいけどカッコつけるために遅れる……っていうのだったら要注意だよね。見極めないと」
「なにそれ、また百音のカテゴライズ? ま、経験からそういう目で見ちゃうのもわかるけど」
私の恋愛事情を知っている愛海は、呆れたように言いつつも理解してくれた。