俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
サイクリングのあと、街を歩いてウィンドウショッピングを楽しむことにした。
お互いに似合う服を選びあったり、試着したり。涼真がネックレスを買ってくれようとしたけれど、値段が全然かわいらしいものではなかったので、それはなにかの記念日にしてほしいと言って断った。
「ああいうの、あんまり好きじゃない?」
「さっきのネックレス?」
「そう。似合うと思ったんだけどな」
ほの暗いレストランの店内で、涼真が残念そうな顔をする。サイクリングで学生時代に戻ったあと、夜は一変してムードたっぷりなレストランへと来ていた。
好きかと聞かれれば好きだし、もちろんもらえるものなら欲しい。けれど、それは今じゃない気がした。
「なにかの記念とか、理由があるほうがもらったときに嬉しいから」
「そういうもんか。あ、そろそろ料理出てくるよ」
涼真はそう言って、白のクロスが敷かれたテーブルに視線を落とした。すると、今日サイクリング中に眺めたような緑の景色が映像で流れだし、風がざっと拭いたかと思ったらオシャレに盛り付けられた料理が現れた。
「わっ、すごい……! これってプロジェクションマッピング?」
「そ、面白いよね。ほかの料理もこんな感じでいろんな演出があるんだってさ」