俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛
涼真はたくさんの人に愛されていて、みんなを引っ張っていく力もあって、仕事も自分にしかできない仕事をしていて。でも、私は資格がなくて補助のような仕事しかしていなくて、人を観察してカテゴライズしては遠巻きでしか見ていなかった。
そう思っていたけれど、涼真といると素直になれているし、いまこうして涼真が楽しそうにしてくれている。
「この店、テレビ見てからずっと来たいって思ってたんだよね。今日、百音と来れてよかった」
「涼真……。いま、そのセリフはずるい」
「えっ、なんで?」
涼真にとって、自分の存在はどうなのだろうと迷っているときに、そんな風に言われたら嬉しさと安心感で胸が震えて、涙が出そうになった。
難しく考えなくていい、これでいい。
「私……涼真のおかげで、少しずつ変われてる。会社でも、嫌な人だと思ってた人に話しかけることができたし、興味がない新しいこともチャレンジできてる。しかも、それが全部いい方向に変わってるんだよ」