俺だけのもの~一途な御曹司のほとばしる独占愛


「っ、まっ……待って、涼真……っ」

レストランから車を二十分ほど走らせて一軒のホテルへ入ると、すぐに部屋のベッドに寝かされた。

「帰さないって言ったでしょ」

「か、帰らないから。少しだけ……んぅっ……」

性急に求められて、頭がついていかない。だけど、心はもっと求めて欲しいと願っている。

激しいキスに応えたくて必死に舌を絡めると、今度はさらに涼真が刺激的なキスをしてきて、その繰り返しでどんどんと深くなるばかり。

「んっ……」

涼真の大きな手に頬を優しく撫でられると、熱い指先に肌が敏感に反応してしまう。手は首筋をなで、胸元をまさぐるとゆっくりと服を脱がしはじめた。

「俺が、こうしたいって思うのも百音だからだよ」

好きだから求め合う。それはごく自然なことで、想いを伝え合うのに必要なこと。

「うん……わかってるよ。ちゃんと、伝わってくる」

涼真に愛されているということ。さらに、その想いをきちんと伝えようとしてくれている優しさも。

嬉しくてうなずいたけれど、涼真は困ったように眉を垂れて笑い、私の額に自分の額をコツンと押しつけた。

「ダメだよ。ここで伝わっちゃったら、これからさきに進めない」

「えっ、ダメ出しされるの?」

至近距離すぎて焦点が合わないまま涼真を見つめる。笑っていることだけは口元でわかった。

「やり直し。俺のこと、“もっと”って求めてよ。期待に応えるのが、男の役目でしょ」

甘さを帯びた声で囁くと、唇にそっとキスをくれる。

求めるのって、少し苦手。求めて与えられなかったら? ワガママって思われたら? そんな余計なことが一瞬、頭を過ってしまうから。

だけど、涼真なら――。

「……もっと、もっと……私のこと、好きって教えて」

「ん、了解。途中でストップかけても、無理だからね」

覚悟してとばかりに、もう一度キスをすると私を甘く愛してくれた。


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