笑顔でいいの?
連れて行かれたのは、リビング。

自分の思い込みが自分を縛り

圭ちゃんの怒った顔が、別れの決定だに思えて…………

聡兄とダブって見えた。

そこからの記憶は、私にはなかった。

後で教えられたのは、「聡兄、ごめんなさい。」と泣きじゃくり

パニックを起こしたってこと。

笹兄を『ささ』と愛称で呼んだ時と同じように

私のトラウマが、刺激された。

次の朝、目を覚ますとリビングのソファーに寝ていた。

「疲れてるから、休め。」と言う圭ちゃんに逆らい

「犯人が捕まったから、保護者に説明会がある。
一人、休む訳にはいかない。」と言って

幼稚園に向かった。

もう2度と戻らないつもりで。
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