笑顔でいいの?
結局、圭ちゃんのマンションに連れ帰られ

今朝いたソファーに戻された。

ただ違うのは

圭ちゃんの膝の上で、逃げないように捕まっていて

握られた手が痛いこと。

こんなに強く引き留められたことはなかった。

家族だと思っていた人達にさえ

出ていく私の背中を押したのに………。

「帰るマンションは、もう無いよ。
引き払ったから。
今日からホントに、ここが咲のウチだ。」

そんな俺様の態度で…………

強引と言う名で同居させてくれる圭ちゃん。

「もう、勝手なんだから。」

そんな憎まれ口をたたきながら、幸せを噛み締めていた。

人に欲してもらえる幸せ。

今まで味あったことのない、満たされた気持ち。

「ごめん。
咲のウチのこと………少し調べた。」と聞いて

同情からの行動だって分かっても…………

それでも嬉しいことに変わりない。

今がチャンスかも。

私の全てを知ってもらおう。

迷惑かもしれないけど…………

私という人間を全て知ってから、受け入れて欲しかった。
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