笑顔でいいの?
「だったら、明日のお昼………ショッピングに行かせてよ。」

尖らせた唇を、ブニュっと潰して

「ダメだって何度も言ってるだろう。
欲しい物があるなら、クリスマスに連れてってやるって。
明日と明後日は、俺とささが忙しいからダメ。」

もう~

一人でショッピングがしたいのに……。

スッカリお父さん化した圭ちゃんは

『一人は危ない。』

『迎えに行くまで帰るな!』

『戸締まりをしっかりしろ。』ってうるさいの。

こんなに過保護になるなら…………

一人で暮らしてても良かったなぁ~なんて

贅沢なことを考えちゃう。

今が一番幸せだから、言える言葉だけどね!

「咲、諦めな。
圭哉は、父性愛に目覚めたみたいだ。
なんなら俺と買い物に行くか?
兄妹愛なら文句も言わないだろうし。
明日の予定がキャンセルになったから空いたんだ。」

笹兄とかぁ。

一人が良かったけど…………無理そうだし。

圭ちゃんのプレゼントは、絶対欲しいから…………手を打とうかな。

笹兄なら圭ちゃんが欲しい物も、分かるはずだし。

「だったら、お願いします。」

「おぉ!
圭哉、俺と一緒なら文句ないよな。」

ニヤニヤ笑う笹兄が気持ち悪かったけど……

ヘソを曲げられても困るから、我慢した。

圭ちゃんは……………………

何とも言えない顔をしてた。
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