笑顔でいいの?
「笹兄、お待たせ!!」

明日は先生達と一緒に、悠人先生のお宅にお邪魔することになったから

今日は、ホントに貴重な一日になった。

絶対今日中に、プレゼントを買わないと後がない。

だって…………

あのメンバーで、シラフで帰れる訳がないんだもん。

明日は、圭ちゃん達もいないからゆっくりできるし

今日中にクリスマスの用意をしなくっちゃっ。

幼稚園では着れないワンピースに袖を通して

真っ白なコートとブーツ。

頭もポニーテールにしてみたら

朝から不機嫌な圭ちゃん。

『寒くて風邪を引いても知らないぞ!』って。

大丈夫ですよ~だ。

だって今日はデパートだもん。

移動は笹兄の車だし。

過保護な圭ちゃんには、ホントに困りもんです。

喫茶店で待ち合わせした笹兄と出掛けようと、バックを掴むと

スッと一万円札が二枚、私の目の前に伸びてきた。

うん??

キョトンと圭ちゃんを見ると

「欲しい物があったら、これで買え。」って言って

手渡された。

「だから~
昨日から言ってるように、私も初ボーナスを貰ったの。
自分のお金で買うから良いの!!」

何度言い争ったか…………

昨日からずっと同じセリフを吐いてるの。

「それは全て貯金しなさいって言ってるでしょう。
子供が遠慮しない。」

憤慨してる私に

「咲、親孝行だと思って貰っときな!
早くしないと、時間なくなるぞ。
それじゃあパパ、いってきます。」

笹兄に言われて、諦める。

「預かるだけだからね!
帰ってから返すから。
いってきま~す。」

渋々二万円を預かって、お店を出た。
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