笑顔でいいの?
12月の声を聞いて、街はスッカリ彩りを変え

赤と緑のコントラストになった。

「笹兄~
圭ちゃんのプレゼントって何が良いと思う?」

車に乗り込むと直ぐに聞いてみる。

「やっぱりプレゼント選びか。
だと思って時間を作ってやったんだぞ。
感謝しろよ。」

「うん!
だから、笹兄のも選ぼうね!!」

誰かにプレゼントを贈るなんて、初めてなの。

貰った事は、遠い昔…………

まだ家族が仲良しだった頃にあるけど。

友達すらまともにいなかった私には

贈りたいと思うことさえなかったんだ。

笹兄にそう伝えたら

「ヨシ!
それじゃあ今年は、大切な人みんなに贈れ。
安くて小さい物でも良いから
自分が贈りたいと思う人みんなに。」って。

贈りたい人みんなに……………。

考えてもみない提案だった。

大切な人。

圭ちゃんや笹兄はもちろんだけど…………

唯先生や悠人先生。

四人の先輩に航。

言われてみたら…………いつの間にか私の周りには

沢山の大切な人がいた。

「うん!そうする。」

嬉しくなって答える私に、笑顔を向ける笹兄。
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