笑顔でいいの?
とは言っても…………

やっぱり圭ちゃんが怒っても恐い。

現に、コンシェルジュの東野さんも……

いつもの笑顔が曇り、苦笑い気味。

「お帰りなさいませ。」って声も、ちょっと小さめ。

そりゃあ、目の前であんな顔を見せられれば………当然だよね。

「ウチの門限は何時だ?」

「………………11時。」

「携帯の電源まで………………。
来い!」

腕を掴むと、強引に引かれてエレベーターに乗せられる。

「あっ……。」

東野さんも何か言いたそうだけど

圭ちゃんの剣幕に、言葉が出ない。

「おやすみなさい。」って言葉を残した所で、扉が閉まった。
< 31 / 102 >

この作品をシェア

pagetop