笑顔でいいの?
「圭ちゃん。
今日は、先生達の集まりがあるから先に帰っててね。
夕ごはんも要らないから。」

「分かった。
悠人のところだろう?
終わったらメールして、迎えに行く。」

優しい申し出に

「大丈夫。
場所も決まってないし。
タクシーで帰るよ。
圭ちゃんは、予定を入れても良いからね。」

………………………………………。

今週2回目。

今日は、何処で時間を潰そうかな?




あれから私は………

家になるべく居ないようにしている。

笹兄に言われた

『咲が受け入れたら、ずっといれるけど…………』のアドバイスは

よく分からなかったけれど

圭ちゃんが結婚を考えると………もう一緒に住めないというのは

私が薄々感じていたことだから

十分理解出来た。

男の人の結婚適齢期がどれくらいなのかは分からないけど

40少し前の圭ちゃんが

結婚したいと考えても不思議はないと思う。

今、彼女はいないと言っていたけど

これから先、結婚前提にお付き合いすることは十分あるはずだもん。

だから、私が圭ちゃんを縛っていてはいけないの。

淋しそうな顔をして、側にいてはいけない。

…………っていうより

圭ちゃんがいなくても生きていける、心の準備が必要なの。

だから…………圭ちゃん離れ。

なのに。

幼稚園が冬休みの今、私に行く場所なんてない。

ましてや、年末の忙しいこの時期に

先輩達も飲みに誘ってくれないし…………

ホントに困る。
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