笑顔でいいの?
結果は…………

大失恋。

聡兄に言われた言葉は

『咲々が大変な時に、よくそんな事が言えるな。
お前は血も通ってないのか!
双子に生まれていなかったら、咲々はこんな辛い人生を送らずにすんだのに。
…………お前が生まれなければ良かったんだ!
なのに、何が『付き合って下さい』だ。
お前と付き合うなら、咲々と付き合う。』と。

後で分かった事だけど。

その日は、咲々のドナーと適応せず

死の恐怖を感じた時だった。

知らされてない私には、想像も出来ない事だけど…………

間が悪かったってだけでは済まされない。

この日は特にだが…………

咲々にとっては、日々死の恐怖と隣り合わせなのだから。

呑気な私が好かれる訳もなく

たった一人の妹の気持ちに寄り添えない私が、愛される訳ない。

辛い人生なのに笑顔で聡兄を迎える咲々を

愛しく思う聡兄は、当たり前の行動だ。

…………………もしも私が生まれなければ…………。

医学的に、一人で生まれても双子でも

心臓に影響はなかったと聞いた。

でも……一人だったら………。

私に流れた栄養が咲々にだけ流れ

病気にならなかったのでは?と考えてしまう。

私がそう思ったように

両親や聡兄が考えても…………おかしくない。

私は……………

誰にも望まれなかった。
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