笑顔でいいの?
「あがり~!!」

「痛い~」

あれから一時間、私達はトランプに明け暮れてる。

「もう、無理!!
ギブアップ!!!
圭ちゃ~ん。」

ずっと一番の圭ちゃん。

ドンケツだらけの私は………

コンパチされ過ぎて、オデコが悲鳴を上げている。

この人って…………

私のこと『好き』って言ってたよね???

それなのに!!

手加減無しだよ!!!!

痛いの何なのって………。

おまけに

笹兄は酔っぱらってるから、煩さに拍車がかかってて。

コンパチされる度に、大笑い。

痛いし、悔しいし…………。

こんなはずじゃあなかったのに。

「あぁ~!!
もう!ヤメヤメ!!
着替えて初詣に行くよ!!」

ワガママと言われようと関係ない!

新年早々負けっぱなしなんて嫌だもん。

神様にお願いして、運気を上げないと。

「早く早く~」

おねだりする私に

「俺はパス!」って冷たい言葉を吐く笹兄。

「ええっ~!!
みんなで行こうよぅ。」

家族みんなで行きたいのに…………。

でも…………

あの酔い方は……………無理かな?

グズグズ言ってる間にイビキを掻き始める笹兄。

もう!

拗ねてる私に

「破魔矢を買ってやるから、コート取っておいで。」って。

まぁ、圭ちゃんが行ってくれるから良いかぁ。

初めての破魔矢に、ちょっと浮上してコートを取りに行った。
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