笑顔でいいの?
そう思うと

ここにいてはいけないような気がして…………

家を出る決心をした。

みんなを不幸にする私は………

せめて目につかないところに行って、不快にしないようにしようと。

私が家を出ると伝えると

両親は事務的に『成人するまで毎月仕送りする』と言われた。

誰一人、引き留めることなく。

分かっていたことなのに…………ショックだった。

ホントにいらない存在だったのだと。

聡兄の最後の言葉は

『俺が、咲々を助ける。』だった。

……………………聡兄は………咲々が好きだったんだ。

そんな当たり前にも気づかないで

聡兄に好かれていると思っていたうぬぼれ。

恥ずかしい。

今思うのは…………咲々の健康と幸せ。

双子に生まれて………………ごめんなさい。
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