笑顔でいいの?
ピロロ、ピロロ。

携帯の着信音が鳴ってる。

圭ちゃんかな?

出ようか、どうしようか悩んでいたら切れた。

呆気ない。

ホンの数回で切れた音楽にもイラついていたら、再び音楽が。

もう!!

怒ってみるけど、直ぐにまた鳴ったことに満足している。

画面を見ると………

私の期待とは違って………………咲々だった。

……………………なんだぁ~。

ガックリしながら出てみると

「咲ちゃん、今何処??」って。

何処って…………………。

あれっ??

ここ……………何処だろう?

「えっと………………。」

来た道を歩いていたはずなのに……………

迷っちゃった。

「圭哉さんから電話がきて『咲ちゃんが捕まらない』って心配してたよ。
もしかして………ケンカした?
でも、ホントに心配してたから電話に出てあげて。」

圭ちゃん…………心配してくれてたんだ。

……………………………良かったぁ。

ホッとしてたら

「ねぇ!!咲ちゃん、聞いてるの?!
そこ、人がいる?
大丈夫??
明るい所で圭哉さんを待っててね!
何か目印を教えて。」

咲々の心配な声に…………改めて周りを見ると…………

団地なのかな?

お家はいっぱい建ってるけど、人通りはない。

ちょっと怖いかも…………。
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