笑顔でいいの?
圭ちゃんは……大切な人。
「こっちにおいで。」

圭ちゃんに呼ばれた場所は………

笹兄が来る前までいた寝室。

「……………………お邪魔します。」

ベットに腰掛ける圭ちゃんの前に立って………直立不動。

気分は、校長先生に呼び出された小学生。

怒っているのか………呆れてるのか。

無言の圭ちゃんが一番怖い。

「……………………圭ちゃん。」

「咲は……何に拗ねて俺の側を離れた?」

早速、核心をついてくる。

ホンの少し前までは、自分でも分からなかった。

でも………

今は分かる。

圭ちゃんが好きだから。

圭ちゃんがモテてたから。

圭ちゃんが………『妹』って紹介したから。

私が一番だって………思ってたのに。

お姉さん達を優先したみたいで嫌だった。

今思えば…………ヤキモチ。

………………………………………圭ちゃんに言うの?

『好きになった。』

『ヤキモチ妬いた。』って。

………………恥ずかしくて………言えないよぅ。

黙ったまま、圭ちゃんの前に立っていたら。

「分かった。
言いたくないんだな。」って。

えっ!?

怒ったの???

不安になって、思わず抱きつく。

「嫌いにならないで!」

必死な私の顔を覗いて

「だったら、素直になって」って。

圭ちゃんは、とっても甘くて過保護なのに………

今日は許してくれない。
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