子供の名前
その5
サークルが終わってから僕は体育館に残るようになった
僕を理解してくれるその子と話すためだ
そして僕はその子に愚痴を洗いざらい話すのだった
ストレスばかり溜まる毎日にうんざりしていた僕は
水いっぱいのバケツをひっくり返すようにその子に愚痴をもらした
今考えれば申し訳ないことをしていたと思うけど
そのおかげで僕は爆発することなく大学生活を送ることが出来た
そしてその子と話す機会はより増えていった
僕は以前から昼休みに一人で体育館に来てはシュートを打っていた
その孤独な感じが堪らず好きで
さらにはその一人の空間で物思いにふけるのが大好きだった
聞こえてくるのは自分のつくボールの音とボールが網にかかる音だけだった
若干勿体無い気もしたが
僕はその空間でもその子と話すようになっていった
僕はさらなる速さで
君との出会いに近づいていったのだ