恋愛王子の落とし方
「ねぇ、ミナどうしたの?」

そう言っても唇を噛んで話そうとしない。

「さっきからずっとこうなの。私も話しかけたけどダメだった」

「……………なんで」

「え?」

声が小さくて聞こえなかったけど、何か言っている。

「ミナ、話してごらん」

「そーだよ!嫌なことあったんでしょ?聞かせてよ!!」

また話さなくなってしまった。

「………………いつも私は………………」

「ミナ?」

「私は何でこうなんだ!変なところで恥ずかしがって何も出来なかった。あげくの果てに鞍田くんはカナの話してくるし。私は二人みたいになりたい!なんで………なんで!」

ミナ……………

「ミナ、これ」

私はバッグからミルク飴を出した。

「私が落ち込んでる時、いつもくれたでしょ?私はミナのそういうとこに助けられてるよ。ミナはミナだし、無理に変わらなくていいよ。って、私が言える立場じゃないけどね」

ミナの目から涙がポタポタ垂れた。

「………カナごめん。ありがとう…………」

ミナは私たちの前で初めて泣いた。

こんなミナ初めてで戸惑ったけど、ミナに心を開かれていたことが実感出来て嬉しかった。
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