恋愛王子の落とし方
「七瀬のためって言ってるけど、それって嫌われたくないからなんじゃないの？」

「……………そんなわけ」

「あるって。嫌われたくないイコール好きだから言えないんだろ？」

宮島は観念したように肩を落とした。

「はい……」

「その気持ちも分かるよ。でもさ、好きなら言った方がいいんじゃないの？」

「でも…………」

仕方ない、教えた方がよさそうだな。

「宮島はさ、好きな子に隠し事されたら悲しいだろ？」

「はい」

「ほら、そう言うことだよ。話の内容的に好きな子を悲しませるかもしれない。でも、それ以上に話さない方が相手からしたらもっと悲しいことなんだよ」

宮島は納得したように相づちをうつ。

「分かりました。もう少し考えます。先輩を悲しませない方法を考えついたら話します」

「頑張れ」

今の宮島は吹っ切れたようにイキイキしてる。

その笑顔を七瀬に見せればいいんだよ。
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