恋愛王子の落とし方
「ちょっと、狭い」

乗れたのはいいけど、狭い。

丁度ドアのところで壁ドンされてる様な格好。

恥ずかしい!

誰かに見られてないといいけど。

宮島くんの顔と私の顔まで五センチも無いぐらい。

やっぱり、背が高いな。

男子らしい体つきだし。

こいつもやっぱり、男子なんだな。

「んなこと言われても、仕方ないっすよ」

キキーン!!

「きゃっ!」

電車が急ブレーキをかけたせいで宮島くんに潰されそうになる。

なんとなく恥ずかしくて、動こうとした。

「じっとして」

そんな事、言わないでよ。

耳元でささやいてくるもんだから、びっくりしてしまう。

ああ、早く駅に着かないかな。
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