恋愛王子の落とし方
俺はなんてことを書いたんだ!

黒歴史だな、これは。

でも、先輩はしくしく泣いている。

そんなにもこの手紙はいいものなのだろうか。

先輩が泣き止むのを待っていた。

「ヒナタ、ごめんね」

「いいよ、全然。何か飲む?」

「うん」

近くの自動販売機で炭酸を買った。

「スカッとしよう」

「………うん」

もとはと言えば俺が悪いのにこんなこと言うなんてどう考えてもおかしい。

でも、かける言葉がなかったのだ。

「何この味」

「桃味だよ」

「炭酸がきつくて分からないわ」

先輩がツッコミだしたと言うことは気分が良くなったということか。
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