恋愛王子の落とし方
「ヒナタ!!」

私の声にみんなが反応し、振り返った。

たまたま同級生の草本くんと目があった。

「草本くん!ヒナタを保健室に運んで!!」

「おう」

草本くんは他の同級生と共にヒナタを保健室に運んで行った。

私は保健室に付いていくことにした。

草本くんはヒナタを保健室のベッドに寝かせてからこう言った。

「まさか、本当に付き合ってるとはな」

「え?」

「宮島が倒れたときのあんな顔、初めて見たよ。七瀬はもともと恋愛するタイプじゃないと思ってたけど、意外に乙女だな」

へ?

お、乙女??

「私も驚いてる。こんなにもヒナタのこと好きになるなんて思ってなかったんだから」

ここにいた部員全員の顔が赤くなる。

「………………なんか、可愛くね?」
「七瀬ってこんな感じだったけ?」
「宮島に先を越された感、凄いわ」

皆、何をぶつぶつ言ってるのかしら。

「じゃあ、練習戻るわ。七瀬、宮島のことよろしく」

皆ぞろぞろと戻っていく。

「私も練習戻るわ」

「ダメだよ。七瀬はここにいて」

え。

バタン

草本くんたちは戻っていった。
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