恋愛王子の落とし方
気が付くと、ベッドに突っ伏して寝ていた。

あれ。

今、何時?

時計を見るが、まだ下校時刻ではないようだ。

「………先輩」

私がヒナタを起こしてしまったみたいだった。

「起こしてごめん。もう少し休んでていいわよ」

その言葉を無視するようにヒナタは起き上がり、体育館へ行こうとした。

「ヒナタ!ダメよ!」

「試合前の調整を……………」

試合、試合、試合って言って自分の身体を大切にしないなんて………。

「いい加減にしなさい!!」

つい怒鳴ってしまったが、押さえきれなかった。

「試合は大切よ?でもね、それ以上に自分の身体の方が大切なの!なんで、休まないの?そんなにも試合に出たいのなら大切なら休みなさい」

ヒナタはしばらく考え込んでから、ベッドに戻った。

「そうだな。ごめん」
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