恋愛王子の落とし方
第三ピリオドが終わり、ハーフタイムとなった。

草本くんや岩田くんが中心となって、作戦を練り直している。

今は楓学園が負けている。

なんだか、皆のモチベーションも下がっているようだった。

「俺たちなら勝てるって。もう少しだ。頑張ろうな!」

草本くんがそう言って皆のモチベーションを必死に上げている。

するとヒナタが急に立ち上がり、皆にこう呼び掛けた。

「俺たち、皆でめっちゃ頑張ってきたじゃん。いいのかよ、このまま終わって。終わりたくないだろっ!勝ちたいだろ!!…………って後輩の俺が偉そうにすいません」

ヒナタが言ったことはすごく立派だと思う。

何一つ間違ってない。

「………そうだよな」
「頑張ろう。これからだよな!」

立ち上がって口々に励まし合っていた。

「こっからだ!勝つぞ!!」

「「オー!」」

さっきまでとは違い、皆いきいきとしている。

これなら勝てるかも!

もうすぐ再開するというとき、ヒナタが声をかけてきた。

「…………俺から目ぇそらすなよ」

「……っ!!」

軽く微笑んだヒナタはいつも以上にかっこよかった。
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