恋愛王子の落とし方
帰り際、ヒナタの周りに集う女子がいた。

むう。

ヒナタの彼女は私なのに。

「今日、カッコよかったよぉ」
「ね!マジイケメンだったよ!」
「バカッ。もともとイケメンでしょ」

モヤモヤする…………。

「今日ね、私、君のこと好きになっちゃったんだぁ。ねぇ!私と付き合ってよぉ」

だめっ!!

「ごめんなさい。俺、彼女いるんだよ」

「誰よ!?」

「え?この子だよ。ねっ、カーナ」

急に抱きしめられたからびっくりした。

「うん」

「私と付き合えなくて後悔しても知らないからねぇ!」

その子たちは行ってしまった。

「もう、離してよっ!!」

「もう少しこのままで」

「………ちょっとならね」

周りの視線は明らかにこっちに集中している。

「あれ?ヒナタくんじゃん」

振り向くとそこにいたのは。

今日の試合で目立っていた男子だった。
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