恋愛王子の落とし方
「ねぇ、なんで怒ってるの?」

何度呼び掛けてもヒナタはひとり、ずかずか歩いている。

私は思い切って、ヒナタに抱きついた。

さすがに気がついたらしく、ヒナタがみるみる赤くなった。

「ちょっ、何してんの?」

「ヒナタが気づかないからでしょ?…………どうしたの?」

ヒナタは一瞬、悩んで重い口を開いた。

「あいつは人生を壊すプロ」

人生を壊すプロ???

あの人が?

どうやって?

考えれば考えるほど謎は深まるばかりだった。
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