恋愛王子の落とし方
サクッ。

ヒナタは口に入れた時についたチョコを舌で舐めた。

色気があってドキッとした。

「………美味しい」

「ありがと」

嬉しくてつい微笑んだ。

するとヒナタは食べかけのマカロンを私の口に突っ込んだ。

「………もがっ……?」

そして、そのマカロンを食べたのだ。

なんでそんなことをするのか意味が分からなかった。

恥ずかしさのあまり固まっていたとき、はっと気づいた。

やばい、このままだったら………!

その矢先、ヒナタの唇が私の唇に触れた。

私は教室だったことを思いだし、ヒナタを引き剥がした。

「…………何するの………」

「甘さ倍増かなって」

甘さ倍増って…………。

呆れて言い返すのも面倒くさくなった。

「ちゃんとしない?」

「ここ教室!」

「これならいい?」

ヒナタは私を抱きしめて、そのままカーテンにくるまった。

「そういうことじゃ…………んっ………」

もう遅かった。

今日はチョコよりも甘い。

そんな気がした。
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