恋愛王子の落とし方
「んじゃあ」

早いとこ切り上げて帰らないと俺が倒れる。

理性と共に弾け飛ぶぞ?

「待って………もう少し、一緒にいない?」

キュン。

俺の心に可愛さの矢が刺さった気がする。

やばい。

「ごめん。今日は早く帰らないと」

本当は嘘だけど、そんなこと言ってられない。

俺だって一緒にいたいけど。

「そう、だよね!ごめんね、変なこと言って」

俺と目を合わせないし、真っ赤になっている。

多少の罪悪感を覚えた。

「じゃあね」

カナはそそくさと帰ってしまった。

こういうとき、どうすれば良かったんだろう。
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