恋愛王子の落とし方
清々しい気分で朝を迎えた。

心の黒い塊は完全には消えない。

でも、自分らしく前向きじゃないとダメになるって分かった。

だから、私も私なりにケリをつける。

「ユキ」

あれから会うのは初めてだ。

今さら何も言うことはない。

私に言う権利はない。

でも、せめて。

「おはよ」

普通にしなきゃいけない。

「………お、はよう」

変な態度とったらユキに失礼よね。

ユキには幸せになってほしい。

私以外に好きな人が出来て、恋をして。

恋の偉大さを知った今だから思う。
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