恋愛王子の落とし方
「ミナ、昨日はありがと」

「私からもありがとな」

どうしてかミナの声のトーンが低い気がする。

何かあったのかしら。

「どうしたの?」

「なんでもない。委員会の仕事があるから、また昼にな」

そう言って行ってしまったけど、絶対何かある。

「おはっよ!あれ、ミナは?」

サキが後ろから声をかけてきた。

「それが………」

ぱぱっと今のことを話した。

「確かにそれは変だね。昼に話聞こ」

と言ってきた。

サキの話術なら聞き出せるよね。

昼に聞けばいいだろうと安心しきっていた私たちが馬鹿だった。

それより前に何か手を打っておけばと思うのはまだ先の話。
< 299 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop