恋愛王子の落とし方
俺は俺を見失った。

俺がここまでこれたのもカナが居たからで、居なかったら今の俺は存在しない。

カナの世界から俺が消えた今、俺に生きる気力なんてない。

この先には絶望しかない。

俺は泣いた。

泣きたかった気持ちが溢れ出て、大泣きした。

こんな歳で泣くなんてカッコ悪い。

でも、今日だけは泣かせてくれ。

今日だけは何もかも忘れさせてくれ。

ただ、カナとの思い出が俺を痛めつける。

あの感情が。

楽しい思い出も苦しみへと変わり果てていく。
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