恋愛王子の落とし方
鉄格子のついた窓から時計が見える。

幸い、時計の近くには街灯があったため暗くなっも見えた。

えーと、今は七時ちょっと過ぎぐらいかな?

先輩は窓から入ってくる明かりを頼りにボール磨きをしている。

「なんでそんなにボール磨きが好きなの?」

「好きとかじゃなくて、私は感謝してるの。いつもいつも使わせてもらってるから。こうやって、何年も使われてるボールには神様がいるかもしれないでしょ?だから大切にしたいんだ」

やっぱりすごいな。

先輩のこういうところマジで好きだ。

全く伝わってないけど、いつかは伝える。

ちゃんと告白したいと思ってる。

そのためには先輩の中の俺の印象を変えないとな。

だから、俺は先輩と関わりたい。

あの時、キスしたのだって独占欲が強くなったからなんだ。
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