恋愛王子の落とし方
この状態が続いて何分経ったかな?

今だ押し倒されたまま。

何度どいてと言っても大好きって言えと言ってくる。

「あのさ、あんたに恋愛感情を持ってない状態の私に大好きって言われて嬉しいの?」

「好きな人に言われるのは嬉しいよ」

ダメだ、通じない。

横目で時計を見ると今は八時。

さすがに帰らないとお母さんに心配かけちゃう。

「宮島くんは大丈夫なの?」

「何が?」

「親さん心配してない?」

「俺ん家は大丈夫。結構、帰らないこともあるし」

「そうなんだ」

不良かよ。

でもいいな。

野生って感じで。

「憧れるな」

「え?俺に?」

やばっ!口に出してた。
< 55 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop