恋愛王子の落とし方
「宮島くん」

「んー………っ!」

部屋に入ると宮島くんがゲームしていた。

私が部屋に入ると驚いてまじまじと見てきた。

「どうしたの?」

「…………あまりにも先輩が可愛すぎて」

「あんたが選んだんでしょ!」

ほんと、自分で選んどいて赤くなるなんておかしいでしょ!

それぐらい分かるでしょーよ。

「てゆーか、これいいの?お姉さんの服と小物でしょ?」

「それ、姉ちゃんが捨てようとしてたやつ。だから、返さなくてもいいよ」

こんな可愛い服なのに?

「てか、貰って。また俺と会うとき着てよ」

えー。

恥ずかしいんだけど。

せっかくだし貰お。

なぜなら、うちは貧乏だから。

家は中古の一軒家。

お母さんが死ぬ気で買ったんだ。

ローン返済も残ってる。

だから、贅沢出来ない。

服もお母さんのお古ばかり。

たまにはこういう服も着てみたいな、なんて。
< 64 / 334 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop