恋愛王子の落とし方
「おまたせ」

宮島くんがきた。

姿を見てびっくりした。

Tシャツにジーパン、ネックレス、高そうな時計。

とっても地味なのにカッコいい服装だったから。

でも、宮島くんのかっこよさや色気が出ていて似合っていた。

「行こ」

「う、うん」

玄関に行って気づいた。

私、履いてく靴がない。

「宮島くん、履いてく靴がない」

「姉ちゃんの靴履いて。サイズ同じだと思うし」

そう言って、ピンクのパンプスを出してきた。

何、これ?

こんな靴、家には一足もない。

恐る恐る履くと、サイズはピッタリだった。

いつもスニーカーばかり履いていて履き慣れない。

でも、たまには女の子らしくていいかもと心を弾ませた。
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