恋愛王子の落とし方
そのあと、牛乳を買って帰った。

もうすぐ家というとき、はっと思い出した。

「宮島くんの家で制服に着替えていい?」

「なんで?」

「だって、この格好お母さんに説明出来ない」

「分かった」

急いで宮島くんの家に行った。

とうにかして、下校時刻には家に帰らないと!

着替えている途中、髪が後ろのボタンに引っ掛かった。

どうしよ。

「宮島くん!」

仕方ないから宮島くんを呼んだ。

「何?」

「髪の毛をボタンから外して」

「あーうん」

一瞬、固まってたけど状況を理解したようだった。

宮島くんが私の後ろに立ち、ボタンに絡まった髪を外してくれている。

なんだか、ドキドキした。

宮島くんの手が背中に触れた。

その瞬間、ビクッとして思わず声をあげた。

「きゃっ」

「あ、わりぃ」

早く終わって。

「はい、いいよ」

「ありがとうございました!」

宮島くんを追い出し、脱衣所の扉を閉めた。

はあ、はあ、はあ。

心臓、もたない。
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