恋愛王子の落とし方
仁side

僕は誰かに自分を認めて欲しかった。

ナルシストなのだろうか?

誰よりも自分が輝きたい。

だから、モテる努力をした。

そして、不動のトップにまで君臨した。

とても幸せだった。

でも、宮島が現れてから変わった。

僕の事が好きな女子が減っていった。

その理由が分かるのは遅くはなかった。

僕派の女子が委員の仕事を手こずっていた。

たまたま、僕は見たんだ。

宮島が何気にフォローするところを。

本当に好かれたくてやっているんじゃない。

あいつの素なんだ。

奴に勝てる気がしなかった。

そんな時、七瀬が宮島といい感じということを耳にした。

これならいける。

直感だった。

七瀬を宮島から奪えば僕の勝ち。

だから、僕は七瀬に近づいたのに。

図星のことをズバズバと。

あんなこと初めて言われた。

僕、立ち直れそうにない。
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