Romantic love
「こんばんは、うさぎちゃん」

昨日と変わらない人懐っこい笑顔を浮かべて、彼はクローゼットから出てきた。

「……そらくんっ!」

「うわっ?!」

姿を目にした瞬間、私は嬉しさのあまり、思わずそらくんに抱きついてしまった。

なんかもう、体が勝手に動いてしまったのだ。

そらくんは、私が抱きついた勢いで後ろによろけて、クローゼットの中に転がりそうになった。

でも昨日と同じように、目に見えないバリアみたいなのに背中を弾かれた。

「ちょっ、うさぎちゃん?!」

「ひどいよ。なんで何にも言わないでいなくなったの?」

そう文句を言いながら、そらくんの顔を見上げると、そらくんはものすごく赤い顔していた。

そして真っ赤な顔のまま、

「えっ、いや、えーっと…………ちゃんと会いに来たから許して?」

ちょっと困ったように、ふにゃっと笑った。

そうしたら、心臓が、ドクンッ!と大きく跳ね上がった。
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